展覧会感想

西洋美術を中心に展覧会の感想を書いています。

松方コレクション展 感想

見どころ …「松方コレクション展」は国立西洋美術館の開館60周年を記念する展覧会です。…川崎造船所の初代社長を務めた松方幸次郎(1866~1950(慶応元年~昭和25年))は、日本の芸術家、人々のために美術館を作ろうと志し、1916年から19…

みんなのミュシャ 感想

アルフォンス・ミュシャ《黄道十二宮》 見どころ …「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ――線の魔術」はアルフォンス・ミュシャ(1860~1939)の没後80年を記念する展覧会です。人気の高いミュシャの展覧会は日本でもしばしば開催されています…

ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 感想

見どころ …「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展はウィーン分離派の活動を中心に、18世紀後半から20世紀初めのウィーンの芸術について当時の時代背景を踏まえつつ、絵画に加えて建築や調度品、服飾など総合的に紹介するものです。今回…

キスリング展 エコール・ド・パリの夢 感想

見どころ …「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」は、エコール・ド・パリを代表する画家の一人、キスリング(1891~1953)の、日本では12年ぶりとなる回顧展です。出品作はジュネーヴのプティ・パレ美術館/近代美術財団を始めとする内外の美術…

クリムト展 ウィーンと日本1900 感想

見どころ …この展覧会は世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムト(1862~1918)の没後100年、及び1869年に締結された日墺修好通商航海条約締結(1869)を端緒とする日本オーストリア友好150周年を記念するもので、クリムト作…

印象派への旅 海運王の夢――バレルコレクション 感想

見どころ …この展覧会はイギリスの実業家ウィリアム・バレル(1861~1958)のコレクションが初来日するものです。グラスゴー市に寄贈された数千点に上るバレルのコレクションは、遺言により長らくイギリスの国外に持ち出すことができなかったのです…

シャルル・フランソワ・ドービニー展 感想

見どころ …この展覧会は19世紀フランスを代表する風景画家シャルル=フランソワ・ドービニー(1817~1878)の日本初の回顧展で、ドービニーの作品約60点と共に、ドービニーと交流のあったコローなど他の画家たちの作品約20点について、ランス…

ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち 感想

見どころ …「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」は19世紀末の象徴主義を代表する画家ギュスターヴ・モロー(1826~1898)の画業のうちでも中心的な主題、男性を魅了、支配し、それゆえに破滅をもたらす宿命の女(ファム・ファタル)を…

東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展 感想

見どころ …「伊藤若冲展」は110点(会期中に一部作品の展示替えあり)の出品作全てが伊藤若冲(1716~1800)の作品で構成された、若冲の世界を堪能できる展覧会です。『動植綵絵』で名高い若冲の著色画は驚異的な緻密さと華麗な色彩で見る者の目…

ラファエル前派の軌跡展 感想

見どころ …「ラファエル前派の軌跡」展は19世紀イギリスを代表する美術批評家ジョン・ラスキン(1819~1900)の生誕200年を記念するもので、ラスキンが評価し、擁護したJ・M・W・ターナーやダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、エドワード・…

青山昌文『芸術は世界の力である』 感想

…展覧会の感想ではないのですが、面白そうだなと思って最近読んだ本の概要と感想です。 …青山昌文氏は放送大学の教授で、『芸術は世界の力である』は放送大学の講義に使われる印刷教材の一部を全面的に改稿し、取り上げる作品の多くも新たなものに差し替えて…

ル・コルビュジエ 絵画から建築へ――ピュリスムの時代 感想

見どころ …「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ――ピュリスムの時代」展は、ル・コルビュジエ、すなわちシャルル=エドゥアール・ジャンヌレが建築家としての地位を確立する以前の、第一次世界大戦後から1920年代の活動に焦点を当てたものです。出品作はル…

奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド 感想

見どころ …「奇想の系譜展」は美術史家・辻惟雄氏の著書『奇想の系譜』(1970年)に基づき、8人の画家たちの作品を通して独創性に満ちた江戸絵画の魅力を紹介する展覧会です。彼らはその斬新で革新的な表現により、かつては日本美術の中でも傍流とみな…

フィリップス・コレクション展 感想

見どころ …「フィリップス・コレクション展」は、近代美術を扱うアメリカ最初の美術館として創設から100年を迎えるフィリップス・コレクションが所蔵する秀作75点で構成されています。出品作は新古典主義のアングル、ロマン主義のドラクロワ、バルビゾ…

新・北斎展 感想

見どころ …「新・北斎展」は葛飾北斎(1760~1849)の没後170年を記念して、最新の研究成果を踏まえつつ北斎の画業を辿るものです。約480件の出品作(会期中展示替えあり)の中心となるのは、長年に渡り北斎作品を研究し、この展覧会の監修に…

2019年見に行きたい展覧会

…場所は東京近郊、ジャンルは西洋美術が中心です。…2019年は日本・オーストリア外交樹立150周年、クリムト没後100年を記念して、オーストリアの美術・美術館にスポットを当てた展覧会が各所で開催されます。…「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜…

ロマンティック・ロシア 国立トレチャコフ美術館展 感想

見どころ …この展覧会は、ロシア最大の国立美術館であり、11世紀から現代に至るロシアの美術作品を所蔵するトレチャコフ美術館のコレクションのうち、19世紀後半から20世紀初頭を代表する画家たちの作品72点によって構成されています。…トレチャコフ…

フェルメール展 感想

見どころ …この展覧会は10年ぶりの来日となる傑作「牛乳を注ぐ女」をはじめとするフェルメール作品と共に、ハブリエル・メツー、ピーテル・デ・ホーホ、ヤン・ステーンなど17世紀のオランダ黄金時代の絵画作品約50点で構成されるものです。見どころは…

ルーベンス展 バロックの誕生 感想

見どころ …この展覧会はバロック美術が隆盛を見た17世紀を代表する、「王の画家にして画家の王」とも呼ばれたルーベンス(1577~1640)の回顧展で、特にイタリアとの関わりに焦点を当てて紹介するものです。…イタリアはバロック美術の中心地であり…

生誕110年 東山魁夷展 感想

見どころ …この展覧会は戦後日本画を代表する一人、風景画家の東山魁夷(1908~99年)の生誕110年を記念した回顧展です。…紙は鏡、写るのは自分の心とも述べている東山は、自身の心情を投影した内省的で静謐な作品を数多く描き、風景画に独自の境地…

ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ 感想

見どころ …この展覧会は、ジョルジュ・ルオー(1871~1958)のコレクションを有するパナソニック汐留ミュージアムの開館15周年を記念した展覧会です。…ルオーには道化師や娼婦など社会の片隅で生きる人々を描いた作品と、宗教的な主題を描いた作品…

ピエール・ボナール展 感想

見どころ …この展覧会は19世紀末から20世紀前半に活動したピエール・ボナール(1867~1947)の大規模な回顧展で、オルセー美術館のコレクションを中心に、油彩72点、素描17点、版画・挿絵本17点、写真30点など130点超の作品で構成さ…

この一年の振り返り

はじめに 人気のあった展覧会 アクセス数の多かった展覧会 著名な美術館のコレクションによる展覧会 印象派の作品の展覧会 ユニークな企画の展覧会 版画作品との出会い 立体作品への情熱 新たな作家を知った展覧会 新たな一面を知った作家たち はじめに …一…

没後50年 藤田嗣治展 感想

見どころ …この展覧会は、エコール・ド・パリの寵児の一人、藤田嗣治(レオナール・フジタ、1886~1968)の没後50年を記念する回顧展です。出品作は日本、そして藤田が人生の約半分を暮らしたフランスの美術館(ポンピドゥー・センター、パリ市立…

モネ それからの100年 感想

見どころ …この展覧会はモネを印象派の巨匠としてではなく、現代美術の始まりとして捉え直す企画で、日本各地の美術館が所蔵するモネの作品25点と、モネの作品からインスパイアされた内外の現代美術の作家たちによる作品66点で構成されています。「あな…

ミケランジェロと理想の身体 感想

見どころ …この展覧会はルネサンスを代表する芸術家ミケランジェロ・ブオナローティ(1475~1564)の彫刻「ダヴィデ=アポロ」と「若き洗礼者ヨハネ」の2点を中心に、ルネサンス期の美術に影響を与えた古代ギリシャ・ローマ時代の彫刻や壁画、及びミ…

ミラクル エッシャー展 感想

見どころ …この展覧会はマウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898~1972)の生誕120年を記念して、イスラエル博物館が所蔵するエッシャーのコレクション152点を日本で初公開するものです。コレクションはニューヨークの弁護士で美術コレクタ…

ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか 感想

見どころ …この展覧会は長い歴史を持つ人の似姿を描出した肖像芸術について、古代エジプト文明の遺物から近代の絵画・彫刻作品まで幅広く辿りながら、肖像の役割や芸術家たちの表現方法を探るものです。出品作は27年ぶりの来日となるヴェロネーゼ「女性の…

ジョルジュ・ブラック展~絵画から立体への変容――メタモルフォーシス 感想

見どころ …この展覧会はジョルジュ・ブラックの最晩年の作品群、ジュエリークリエーターのエゲル・ド・ルヴェンフェルドとのコラボレーション「メタモルフォーシス」を紹介するもので、フランスのサン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック-メ…

ターナー 風景の詩 感想

見どころ …この展覧会はイギリスを代表する画家であり、風景画の歴史においても最も独創的な画家のひとりであるジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775~1851)の芸術を紹介するものです。出品作はスコットランド国立美術館群をはじめ主に…